日野自動車が2023年度の第1四半期の決算を発表したので中の人が解説していきます!
〈台数〉
販売台数は前年同期比でマイナス 15.4%の減少。内訳を見ると国内はマイナス 3.7%の減少だが海外で 19.4%の減少。特に最重要市場のインドネシアとタイでは販売台数が20%以上の減少と大苦戦。
日本市場の全需は前年同期比で約33%の増加にも拘わらず日野の販売は3.7%しか増加しておらず、エンジン不正問題に関する出荷停止の影響もあり国内需要の回復に日野が追随出来ていない事がわかる。またトヨタ向けも12.7%のマイナスに落ち込む。
〈収益〉
売上高は3719億円で前年同期でプラス160億円。日本とアジアの売上高は減少するもそれ以外の地域でカバーした格好。前年度からの値上げ効果も売上高の増加に貢献。
営業利益は11億円で前年同期比でマイナス 32億円、値上げ効果のプラス 85億円や為替のプラス 44億円の好材料が材料費の高騰のマイナス 142億円や北米でのエンジン不正に関わる品質キャンペーンのマイナス26億円などで打ち消され結果として営業利益を押し下げた。また国内認証不正の追加補償として131億円を特損として計上。これにより当期純利益はマイナス 165億円となった。
〈通期見通し〉
見通しの変更は無しで売上高 1.7兆円、営業利益200億円、純利益100億円を見込む。
〈今後の注目点〉
先ずは国内としてはE13C 大型エンジンの出荷見通しが未だにたっておらず1部のモデルでの出荷停止が続いているがこの出荷再開のタイミングに注目。また今期は認証不正による追加補償130億円の特損を計上していが今後もあるのか?これが続くと永遠に経営を圧迫していく。
海外市場に関しては最重要市場のインドネシアとタイの全需と販売の見通し。この2大重要拠点の全需が減退すると日野の海外市場での販売目標達成が難しくなる。
また訴訟に関しては23年4月に豪州で新たなエンジン不正に関する訴訟が発生。これで米国で1件、豪州で2件の訴訟を抱えているが原告が訴訟額を公表しておらず今後の見通しが不明。
以上になります!
商用車メーカーの中の人
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